「統計的有意性とP値に関するASA声明」

アメリ統計学会が2016年に出した「p値」に関する声明文:

ASA Statement on Statistical Significance and P-values
http://amstat.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/00031305.2016.1154108 [pdf]

が翻訳され,「統計的有意性とP値に関するASA声明」[佐藤俊哉訳]として日本計量生物学会ウェブサイトで公開されました:

日本計量生物学会
http://biometrics.gr.jp/


統計的有意性とP値に関するASA声明
http://biometrics.gr.jp/news/all/ASA.pdf [pdf]

統計分析に少しでも関心のあるみなさんに.

「統計概念の可視化いろいろ」

R-psychologist による統計概念の可視化いろいろ.

  1. Understanding and Interpreting Correlations - an Interactive Visualization」※相関係数の可視化.相関係数を変化させたときの共通分散をオイラー図で示す.
  2. Interpreting Cohen's d effect size - an interactive visualization」※効果量(Cohen's d)の可視化.d の大小による確率密度関数の被覆度や検定に必要なサンプルサイズの変化を示す.
  3. Understanding Statistical Power and Significance Testing - an interactive visualization」※統計的検定の検出力,type-I error, type-II error, サンプルサイズ,効果量(Cohen's d)の関係の可視化.
  4. Interpreting Confidence Intervals - an interactive visualization」※信頼区間の可視化.

いずれも統計基礎概念の教育ツールとして役立つだろう.

〈統計学へのお誘い本リスト(19-November-2016版)〉

  1. 門前でまだ迷っている人のための誘惑本

  2. 入門する気になった人のための本

  3. ヴィジュアル系統計学入門書

  4. Rを片手に統計修行とプログラミング勤行

  5. すでに入門してしまった人のための次なる本(線形モデルを中心に)

  6. ややイノチ懸け系な数理統計学

  7. たまにはベイズもいかが?

  8. 統計学科学史と科学哲学,そしてこれから

  9. なお余力がある人は統計科学の最前線へどうぞ!

    • 甘利俊一・竹内 啓・竹村彰通・伊庭幸人(編)〈シリーズ・統計科学のフロンティア[全12巻]〉(2002年〜2005年[完結],岩波書店版元ページ
    • 甘利俊一,麻生英樹,伊庭幸人(編)〈シリーズ・確率と情報の科学[第I期・全15巻]〉(2008年〜[刊行中],岩波書店版元ページ
    • 岩波データサイエンス刊行委員会(編)『岩波データサイエンス (第I期・全6巻)』(2015年10月刊行開始,岩波書店,東京 → 版元ページ


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         Version 27-April-2015

         Version 24-April-2014

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         Version 24-October-2012

         Version 21-June-2012

         Version 6-September-2011

         Version 8-October-2010

         Version 26-April-2010

         Version 17-October-2008

「Windows環境で「R」を導入するための絶対確実な方法(続)」

ちょうど二年前に書いた記事「Windows環境で「R」を導入するための絶対確実な方法」の続きとして:

長年にわたって方々でR実習の経験を積んできたおかげで,たいていのフシアワセには即座に対応できるようになったが,それでも新たなタイプのフシアワセに毎回遭遇するので,経験値はどんどん上がっていく.

Rにからむフシアワセのほとんどは,必要なRcmdr関連パッケージ群がちゃんとインストールされていないことが原因である.あるいは,古いRが残っていて,新しいパッケージとのバージョン不適合というケースもある.これらのフシアワセは最新バージョンのRに最新のパッケージ群をインストールすることをつねづね心がければ事前回避が可能だろう.

その一方で,必要なパッケージ群をzipから解凍できないという重篤なフシアワセは処置が大事になる.何度トライしても途中でzip解凍が中断されてしまうというケースに遭遇したときは,もうどうしようもないので,ちゃんと起動している別PCの「library」フォルダー(解凍済みの約10,000ファイル)を丸ごとコピペするという “生体肝移植” みたいなオペを施してやっと成功した.

Rがうまく動かないときの施術方針の基本はちまちまとした対症療法ではなく,Rとパッケージ群の丸ごと再インストールにかぎる(オフライン環境だとけっこうじゃまくさい作業になるが).それでダメなら “生体肝移植” という根治療法だ.ただし,ユーザー名がマルチバイト文字だとほぼ治療不能なので,別途PCを貸し出して対応するしかない.

シアワセのかたちはどれも同じに見えるが,フシアワセのかたちはそれぞれちがっている.

「/var/folders へのフォルダー移動(macOS Sierra)」

Sierra に変身してからずっと困っていたことのひとつは R パッケージ更新時のファイル格納場所に到達できなくなってしまったことだった.たとえば,パッケージ更新すると格納場所は

/var/folders/……/T//RtmpkMGJJt/downloaded_packages

と表示される.El Capitan まではフォルダーの「移動」メニュー>「フォルダーへ移動」で,この行き先を入力すれば移動できた.ところが macOS Sierra だと,この操作では目的のファイル格納場所へは到達できない.試行錯誤してみると,のダブルスラッシュ「//」前までなら移動できると判明.つまり,第一段階として

/var/folders/……/T

へ移動.いったん,このキャッシュ領域の中に入ったら,第二段階として,同じく「移動」>「フォルダーへ移動」で「//」以降の

RtmpkMGJJt/downloaded_packages

をコピペすれば目的場所まで到達できることもわかった.要するに「//」が “障害物” だったということ.ダイレクトには到達できず,“二段階移動” するしかないのは手間が増えてしまったな.

[追記:7 November 2016]ダブルスラッシュ「//」をシングルスラッシュ「/」に書き換えれば二段階を踏まなくてもフォルダー移動できることが判明した.つまり「/var/……//……」→「/var/……/……」とする.